住宅/建築

建築依存症 Archiholic

いい建築は肌で決まる。
真っ白で、水平、垂直な近代建築から、もっと人間味あふれるクセのある建築へ。
空間に心や体温、記憶を求め、五感をフル稼働して動き続ける。
広島から、スペイン、イタリア、バングラディシュ、そして東京。
ノグチから、タンゲ、ムラノ、ガウデ、スカルパ、アンカツ、アンタダ、ヤマカツ、そしてイシヤマ。
若手建築家、安部良のたどってきた道。
出会った場所と人。そして、どこへ行くのか。
行き当たりばったりのアーキテクト日記。
真っ白で、水平、垂直な近代建築から、もっと人間味あふれるクセのある建築へ。
空間に心や体温、記憶を求め、五感をフル稼働して動き続ける。
広島から、スペイン、イタリア、バングラディシュ、そして東京。
ノグチから、タンゲ、ムラノ、ガウデ、スカルパ、アンカツ、アンタダ、ヤマカツ、そしてイシヤマ。
若手建築家、安部良のたどってきた道。
出会った場所と人。そして、どこへ行くのか。
行き当たりばったりのアーキテクト日記。

第1章 ケンチクへの憧れ―僕の建築師範たち(ノグチ、丹下、村野―故郷での建築体験ガウディとの遭遇―境界の無いものづくりへの旅立ち ほか)
第2章 進まない現場日記(海仕上げの家たった2軒の景観づくり ほか)
第3章 食って歩いて巡り合った―バングラ雨水日記(我ら雨水探検隊南部海岸線の町を目指せ)
第4章 撮影日記―ココロの家を探して(撮影日記―イントロダクション身体の危うさ、記憶のはかなさ ほか)
第2章 進まない現場日記(海仕上げの家たった2軒の景観づくり ほか)
第3章 食って歩いて巡り合った―バングラ雨水日記(我ら雨水探検隊南部海岸線の町を目指せ)
第4章 撮影日記―ココロの家を探して(撮影日記―イントロダクション身体の危うさ、記憶のはかなさ ほか)
安部良(あべ・りょう)
建築家。
1966年 広島県生まれ。
早稲田大学理工学部建築学科卒業
同大学院修士課程終了。
石山修武研究室を経て、
1995年 安部良/ARCHITECTS ATELIER RYO ABE設立。
2005年 住宅「pajarita」でグッドデザイン賞を受賞。
現在 東海大学理工学部建築学科非常勤講師
建築家。
1966年 広島県生まれ。
早稲田大学理工学部建築学科卒業
同大学院修士課程終了。
石山修武研究室を経て、
1995年 安部良/ARCHITECTS ATELIER RYO ABE設立。
2005年 住宅「pajarita」でグッドデザイン賞を受賞。
現在 東海大学理工学部建築学科非常勤講師

★★★★★
心を宿す空間を求めて、疾走する建築家
2013/02/18

「心を宿す空間、生活者と会話のできる建築」を生み出そうとしている筆者。建築家として、施主の望むことを深く理解し、よりよい建築を生み出すための苦悩から完成までの過程が率直な文章で書かれており、なかでも、肌理(きめ)のある空間を作るための左官仕上げに対するこだわりぶりには感動した。また、スペインやバングラデシュでの旅の経験に触れており、筆者の身体感覚の鋭さ、あたたかな人間味が伝わった。
全編を通して、ありったけの「情熱と執着と愛情」を惜しみなく建築に注ぎきり、全力で走り続ける筆者の真摯な生きざまがヴィヴィッドに感じられ、読者の心を熱く打ち震わせる。ひとがよりよく生きるために、ひとが知恵をしぼり、ひとが建て、ひとが住む。その空間を作るという奥深さに改めて気づかされた。筆者の作り出す建築に心から希望を感じている。
全編を通して、ありったけの「情熱と執着と愛情」を惜しみなく建築に注ぎきり、全力で走り続ける筆者の真摯な生きざまがヴィヴィッドに感じられ、読者の心を熱く打ち震わせる。ひとがよりよく生きるために、ひとが知恵をしぼり、ひとが建て、ひとが住む。その空間を作るという奥深さに改めて気づかされた。筆者の作り出す建築に心から希望を感じている。
★★★★★
建築界のへうげもの
2013/02/18

「造る」ことへの凄まじい憧憬が「建築」という形で昇華した著者の人生。
よく映画人のことを「映画の神に魅入られた・・・」というような表現をする場合があるが、
当に建築家・安部良氏は「建築の神に魅入られた人」なのかもしれない。
ともすると著者があとがきで語ったように「ストーカー」になってしまいそうなほどの
創造に対する執着心なのだけど、みょうに清々しいのはきっと無邪気に、そして心の底
から嬉しそうに「造る」ことと対峙しているからなのかもしれないなぁ。
多少なりとも「造る」仕事に携わる者として考えさせられる建築奮闘記。
題名を気にせず試すことをオススメしたい一冊だ。
よく映画人のことを「映画の神に魅入られた・・・」というような表現をする場合があるが、
当に建築家・安部良氏は「建築の神に魅入られた人」なのかもしれない。
ともすると著者があとがきで語ったように「ストーカー」になってしまいそうなほどの
創造に対する執着心なのだけど、みょうに清々しいのはきっと無邪気に、そして心の底
から嬉しそうに「造る」ことと対峙しているからなのかもしれないなぁ。
多少なりとも「造る」仕事に携わる者として考えさせられる建築奮闘記。
題名を気にせず試すことをオススメしたい一冊だ。
★★★★★
建築家は職業ではなく生き方なのだった。
2013/02/18

建築はその時代の技術の粋を集約したものであり、かつその時代の人の思想、生活、生き方をも表すものです。
だから建築家には、先人が営々と開発して蓄積してきた技術を理解し、その建築物を利用する人の思い、使用の仕方に合うように技術を利用して設計を行う能力、設計した概念上の建築物(設計図)が実際の建築物となるための管理能力、実行力が必要だと思います。勿論、芸術的才能も必要です。
この本には、技術、芸術性、実現化するための努力(なんと漆喰塗りまで手伝ってしまう)等が具体的に書いてありますが、最後まで読み終わると、この建築家は、建築物を使用する人の思想、生活、生き方をいかに理解して建築物に反映させるか、いかにその人が気がついていないことまで発見してくみ上げるかを追求しているように思えます。
昔は建築家の建物は、アイデアや理論ばかりの独りよがりで住み心地、使い勝手が悪いことが当然と思われていましたが、この本の著者のような若い建築家には当てはまらないようです。
写真が多くて、旅行記や海外NGO体験も書いてあり、気軽に読み通せる内容になっています。
だから建築家には、先人が営々と開発して蓄積してきた技術を理解し、その建築物を利用する人の思い、使用の仕方に合うように技術を利用して設計を行う能力、設計した概念上の建築物(設計図)が実際の建築物となるための管理能力、実行力が必要だと思います。勿論、芸術的才能も必要です。
この本には、技術、芸術性、実現化するための努力(なんと漆喰塗りまで手伝ってしまう)等が具体的に書いてありますが、最後まで読み終わると、この建築家は、建築物を使用する人の思想、生活、生き方をいかに理解して建築物に反映させるか、いかにその人が気がついていないことまで発見してくみ上げるかを追求しているように思えます。
昔は建築家の建物は、アイデアや理論ばかりの独りよがりで住み心地、使い勝手が悪いことが当然と思われていましたが、この本の著者のような若い建築家には当てはまらないようです。
写真が多くて、旅行記や海外NGO体験も書いてあり、気軽に読み通せる内容になっています。